2/11/2007

Calibrtaion of PT using "Poly-Tank method"

PowerTapは殆ど校正がずれない、経年変化がない、SRM Proよりずれない、と言われている。本当か。そもそも、皆そんなにチェックしてないだけじゃないのか。大きな衝撃が入ったとき等、結構心配である。それで、筆者もPTを購入してから時折チェックしている。

方法は、下記[1]、[2]が参考にできる。SRM公式サイトの方法([1])とPT用の「民間療法」であるStomp-test方式([2])がある。筆者は以前はStomp-test方式で行っていたが、この方法では不安定なウェイトのかけ方となり、安定した結果が得られない。そこで今は、[1]と[2]とを混合した方式(以下、ポリタンク方式)で行っている。
[1] http://www.srm.de/Online_Manual/SRM_English_Manual/PMCalibrate.htm
[2] http://midweekclub.ca/powerFAQ.htm#Q23

以下に、その手順を説明しよう。

図1 校正システムの全体構成


まず、このように装置をアレンジする。スタンドは適当に据わりの良い、安定したものを。ワイヤは対荷重の大きさをチェックして調達されたい。たとえば、チェーンとフックなどがチープである。

ここで、PTにトルク入力を与えるための、“Known-weight”....質量が分かっている「重り」の調達がキーである。この質量の誤差の範囲内でしか、PTのトルク測定値の誤差を確かめられない。

ここでは簡便性を重視して、ポリタンク(灯油缶18L、(株)千曲化成)に水を入れ、*ワイヤと合計*で13.6kgとなるように調整した。ただし、この「13.6kg」は家庭用体重計(HBF-351、オムロン)による測定。体重計の誤差、経年変化のため、あまり高精度かつ一環した結果は得られない。できれば、質量の真値から、常に誤差1%以下くらいにしたいところ。

より高精度を担保したければ、①用意した重りを、*最近*校正した秤で測定するか、または②質量の精度保障のある重りを調達する。①の場合、例えば郵便局の秤は定期的に校正されており、これを利用できれば質量の確認に有効である。②の場合は、トレーニング用ダンベルプレートで、十分な精度保証があるものを探す等。だが、そういった商品はなかなか無いようなので、やはり①がよいだろう。

また、ウェイトを何種類か用いて測定点を増やすのもよいアイデアである。なぜか? トルク入力に対するPT(やSRM)のトルク出力の非線形性を確認できるからである。bikeageさん(http://www.thebikeage.com/repairs.htm)ではSRMの校正に1、10、20kgの重りを使うそうだ。

図2 クランク部、ローテーション・ストッパー部の拡大


次に、測定前に駆動系を図2のようにセットする。クランクを地面水平(つまり、重りによってかかるトルクが最大になるようにする)にセット。後輪に適当な「棒」を突っ込んで回転を止める。ギアはアウター×トップ。だが測定点を増やすために、いくつかのギアの組み合わせを試すとよりよい。SRMの場合は、さらにクランク角度もいくつか試すことが推奨されている(上記[1])。

PTはトルクモード(上段のwatt表示部にカーソルを合わせ、「watt」が点滅するまで右ボタン長押し)にセット。すなわち、入力した重りに(正しく動作していれば...)比例する「トルク値」が上段に表示されるようになる。

さらに、ゼロオフセットを必ず行う。これはトルクモードにおいて、さらに右ボタンを長押し(3秒位)することで行われる。たとえトルク表示が「0」になっていても、ネガティブ・オフセットの可能性があるので、必ず行われたい。

さて、ここまでできたら、あとはPTの表示(トルク値)を読むだけ。測定値を、重りの質量・クランク長・ギア比から計算できるトルク値の推定値([2]に計算式あり)と比較する:
    Measured torque = (weight in lbs) × (crank length in mm)
               × (1 in/25.4 mm) × (cog teeth/chainring teeth)
質量・クランク長・トルク値の単位系に注意すること。PTのトルク値はlb-in表示なので、上式のように、質量はlb(オンス)・クランク長はin(インチ)に換算する必要がある。


....さて、皆さんの結果はいかに??

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

実用的な意味合いにおいて「素晴らしい」の一言に尽きる記事ですね。
私も見習わないと。

匿名 さんのコメント...

私もやってみようかな。
その前に、自転車を空中で固定する手段を考えねば・・・。

tarmac2006 さんのコメント...

>>LIVESTRONGさん、
PTとSRMは、このように校正が自分でチェックできるのが大きなポイントです。しかし実用上は、高精度な重りの確保がネックですねー

>>さいとーさん
あー、そうだ、確かに^^;。ウエイトが小さければ、空中固定しなくても大丈夫ですよ。小さくて重いダンベルウエイトとか借りてきたらいいのでは? t2さんとかイイもの持ってそうです。

後輪側のリムやスポークにダメージが及ぶくらいの衝撃があったら、キャリブレーション見直した方がよいと思います。

sugaken さんのコメント...

お久しぶりです。

いや~、PT SL購入から1年ちょっと経過しましたがトルク校正はまだやったことないです。フレームの空中固定は普段の保管方法そのものなのでまったく問題ないですし、1g刻みの2kg計(キッチンスケールですが)もあるので2kgまでの重りならそれなりの精度で質量わかりますし(で、既知の質量の重りを複数ぶら下げてもっと重いのを合成すればいいでしょうか)。

で、実際やってみるといかがですか? 前回と誤差が大きく変化することって多いですか?

tarmac2006 さんのコメント...

sugakenさんこんばんは。
ポリタンク法導入以前は「体重」を使っていたので、あまり昔の安定した結果が残っていないのですが...

まずSL。こちらは購入当初から最近まで、測定値が計算値の-0.5~-1.0%くらいに収まっています。体重のかけ方や体重計の誤差範囲から考えて、有意な変化が生じたとは言えないようです。

一方、Pro。こちらは...実は「ある時」を境に測定値が2%強くらい、小さく表示されるようになってしまいました。

変化のタイミングはいつかというと、どうやら某ショップでND側カートリッジベアリングを打ち替えた時のようです。最近、Wattageでもちょっと話題になっていましたね。要注意だと思います。

 

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