1/14/2007

Buy a Cervelo. ;-)

http://groups.google.com/group/rec.sport.triathlon/browse_frm/thread/f8886dfa100c5eaa/
↑これの#5、#29、#38のあたりとか。例の“High Performance Cycling”には、かのJohn Cobbによるエアロ機材の効果データが載っている。
----------------------
(すべて40kmTTでのタイムゲインとして。)
standard 36 vs rear disc/composite front 1:30
ave. racing clincher vs. high perf tubular 1:38
normal fork vs aero fork 1:16
standard barsw/clip on vs. integrated 1:10
standard frame vs aero frame 2:36
----------------------
このエアロフレームの効果に、疑問を示す発言者が多い。そんな中、Cogganが自身の経験や、過去のデータから、有り得なくはないと言っている。

This is ANT

直接自転車にどうこうという話題ではないですが。

http://www.thisisant.com/
最近、何かと話題のこの会社(Dynastream)。実は、2.4G帯省電力RFチップで有力。

この会社、昨年12月にあのGarmin社に買収されたばかり。さらに、最近のSunnto、PT 2.4(Wireless)のRF、あれもこれも、実はANT製。これからは、相互干渉の問題も少なくなっていくかな。
http://www.thisisant.com/index.php?section=34

ANTはDynastream社の独自規格。ZigBee(IEEE 802.15.4)やらBluetooth(IEEE 802.15.1)よりさらに低電力・狭帯域・狭域通信向けで長持ち。
http://www.thisisant.com/index.php?section=36

ZigBeeやBluetoothは沖電気・東芝といった日本企業が頑張っているジャンルでIEEE標準化も完了。だけど、今後増えていく「RFガジェット」には重過ぎるかもしれない。うーむ。

1/13/2007

違った

フォースFが速度の2乗に比例だから、パワーPは速度の3乗に比例じゃないか。

ということは:
・32hカマボコリム → 50mm前後のディープリム
.... -6sec/1hour
・ノーマルフォーク → エアロフォーク
.... -3sec/1hour
・ラウンドチューブフレーム → セミアエロフレーム
.... -5sec/1hour

ホイールは150g程度、フォーク+フレームは+200g程度の重量増でトントンか....

Aero Shopping List

http://sheldonbrown.com/rinard/aero/aerodynamics.htm

うーむ、エアロヘルメット、エアロ前輪、それからスキンスーツか。
エアロヘルメット(あまり派手じゃないやつ)はノーマルヘルメット+100gくらいか?

1/08/2007

Crrへの温度影響

これは、気にしていなかった。でも、考えてみれば当たり前か....

http://www.recumbents.com/mars/pages/proj/tetz/other/Crr.html
↑によると、10℃の気温上昇につき、Crrが約10%程低下する。これは、すごい差だ。

いままで、「冬に遅くなる」のは空気密度上昇のため、と思っていた。だが空気密度だけでは、ヒルクライムまで著しく遅くなることが説明できない。この前ACCで計算してみたときも、空気密度の変化だけでは、スピード変化を十分に説明できなかった。やはり、冬と夏のデータは、単純比較できなかったと....

この話は、BTRでAFMさん(Crr dataの作者)がDugastにインタビューした話から出てきたもの。
http://biketechreview.com/phpBB2/viewtopic.php?t=1130

※Dugastは、有名なハンドメイドチューブラーメーカー。

AFMさん、早速テスト時のタイヤ温度を測定。その結果....そう、アルミに比して放熱の劣るカーボンホイールでは、タイヤも加熱されて、よい結果がでてしまう...ということは....

これからレース前は、なるべく日当たりのいい場所に陣取るか。暑くてやだなー

空力....でヒルクライムが速くなる訳ないだろ

機材に頼って、速くなってみようシリーズ。

1. はじめに
自転車の走行抵抗の殆どは、①空気抵抗+②転がり抵抗+③重力 である。

①空気抵抗は速度^2に、②転がり抵抗は速度に比例し、速度はライダーのパワーによる。また、③はコースの勾配、人間と機材の重量によって変わる。さらに、①に対しては、コースにおけるヨー角(車体に対する風向き)の影響が無視できない。ディープリム、エアロフレームなどは、ヨー角が増えるにつれ、より著しく空気抵抗を減少する傾向がある。

よって、ライダーのパワー、コースプロファイルも考慮した、最適な①、②、③の組み合わせとなる機材のチョイスが重要となる。


2. 想定ライダー
筆者のデータより、基準重量として、人間+機材 = 68kg、パワー(FTP)=260Wを想定する。


3. 想定コースプロファイル
コースプロファイルとしては、「つがいけ」(平均勾配~7%)を選んだ。単に、筆者のターゲットレースの一つという理由による。

下図は、2006年同大会における筆者の走行スピード分布である。このコースは全長約17km。特徴は、登り勾配がほぼ単調に続き、10~15kphと15~20kphの走行時間が非常に長く、他のレース(美ヶ原、富士)に見られるような25kph~のハイスピードセクションは殆ど無いこと。よって、低速度域での優劣が重要となる。



4. 各抵抗力に対する機材の影響
以下、各抵抗力に対する機材の影響を、想定ライダーの想定コース走破時間(~1hour)に対して見積もっていく。

①空気抵抗

参考文献[1]によれば、時速27kph前後において、エアロ機材の影響は以下の通りとなる。
・32hカマボコリム → 50mm前後のディープリム
.... -48sec/1hour
・ノーマルフォーク → エアロフォーク
.... -27sec/1hour
・ラウンドチューブフレーム → セミアエロフレーム
.... -40sec/1hour
上記数値は、他の文献に見られる測定値に比してやや大である。これは、[1]では実際のコースを想定し、ヨー角0~15°における平均値を採用しているためである。すなわち、ヨー角が0°に近い条件ほど、タイム削減度合いは小となる。

想定速度域(15kph前後)は上記データ想定の約1/2の速度となる。空気抵抗は速度^2に比例するので、ここは大雑把に(1/2)^2=1/4になると考えると、以下の推測を得る。
・32hカマボコリム → 50mm前後のディープリム
.... -12sec/1hour
・ノーマルフォーク → エアロフォーク
.... -7sec/1hour
・ラウンドチューブフレーム → セミアエロフレーム
.... -10sec/1hour

②転がり抵抗
[2]によれば、最良クラスのクリンチャーとチューブラーは、殆ど転がり抵抗に差が無い。だがチューブラーについては、良好な接着条件(接着剤、塗布方法、乾燥期間)に依存した部分があるので、その分を考慮し、いくつか安定した結果の出ている部分のサンプル(Veloflex Carbon、Crr 0.00312)を比較対象とした。クリンチャーは、Michelin Pro2Light+Latex(Crr 0.00254)を想定する。

[2]のデータに書いてある通り、実路面ではこのCrr値より高くなる。ここではその影響を100%(2倍)と考えた。また、[2]のデータは一輪分なので、これを考慮しさらに2倍する。

上記想定の基、想定速度域15kph前後では、クリンチャーとチューブラーの差は約3Wとなる。
[3]のサイトにより計算すると、想定コース・想定ライダーにおいて、この差は約34sec/hourのタイム差となる。

③重力
同じ50mmハイト前後で比較した場合、典型的な軽量クリンチャーホイールセットは、1450g前後(e.g., Reynolds Stratus, H=46mm)。チューブラーは1250g前後(e.g., ZIPP 404, H=58mm)となる。これにチューブ、タイヤの重量差も考慮して、クリンチャー/チューブラーの差は約300gと想定する。この影響を[3]のサイトにより計算すると、想定コース・想定ライダーにおいて、この差は約12sec/hourのタイム差となる。

エアロフォークについては、たとえばEaston EC90SLX(~300g)→Easton EC90Aero(~380g)に換装することで、約3sec/hourのタイム増。より空力に優れたOvalやCervelo Wolf TTでは、300g近いプラスとなり、約12sec/hourのタイム増。

エアロフレームについては、今日一般的な(非エアロ)軽量フレームが900g前後、「セミエアロフレーム」はいくつかあるが、最良の選択はCervelo SLC-SL(950g)。次点はCervelo SLC(1100g?)か。後者の想定ならば、約200g、8sec/hourのタイム増となる。


5. 考察
チューブラー v.s. クリンチャーという観点では、重量差を考慮しても、現時点では後者が有利(転がり抵抗34sec - 重力12sec = 22sec)。だが接着条件によっては、前者が優位となる可能性は否定できない。また、クリンチャー機材(ホイル、タイヤ)の軽量化が進む可能性もあり、技術動向の継続監視が必要である。

エアロフレームについて言えば、効果は重量見合いと考えられる。エアロフォーク+セミアエロフレームは約-17secのタイム削減が期待できるが、重量によって-5~20secが相殺されてしまう。非常に高価なフレーム(SLC-SL)と比較的軽量なフォーク(EC90Aero, Wolf SL)を用いる場合は約-12secのタイム削減になるが、そうでない場合は使っても使わなくても「トントン」である。特に重いフォーク(Oval, Wolf TT)を用いる場合、+3sec程度のタイム増となる可能性も否定できない。

尚、想定コースより高速型のコースプロファイルでは、転がり抵抗、空力とも影響が大となる。また、環境条件(風向、風速)によって空力の影響が大となる可能性もある。これらを考慮すると、本想定コースでトントンとなる組み合わせならば、より転がり抵抗と空力に優れた組み合わせの方が、他のコースでは有利となるであろう。


参考文献
[1] A.E. Jeukendrup, “High-Performance Cycling, ” Human Kinetics, 2002.
[2] A. Morison, “Al Morrison's Roller Crr Tests rev.3, ” http://biketechreview.com/performance/images/AFM_tire_testing_rev3.pdf, 2006.
[3] http://www.analyticcycling.com/.

1/07/2007

How about TRIMPS?

HRをお使いの方へ。

無理にTSSモデルを使わずに、「元祖」のTRIMPSをつかってみるのは、どうでしょうか。
TSSの代わりにTRIMPSを、CTL/ATL/TSBの計算に使うということです。

男性の場合:
TRIMP = training duration x [(HRavg - HRrest)/(HRmax - HRrest)] x 0.64exp[{(HRavg - HRrest)/(HRmax - HRrest)} x 1.92]

女性の場合:
TRIMP = training duration x [(HRavg - HRrest)/(HRmax - HRrest)] x 0.86exp[{(HRavg - HRrest)/(HRmax - HRrest)} x 1.67].

参考:http://multisport.qc.ca/app/DocRepository/1/INFE/Sommet_2006/mujika_aterlier6.pdf#search=%22trimp%201.92%20weighted%22

PolarのExertion Countも、確かTRIMPSだと思いました。

ただ、HRと運動強度との相関の不安定さ(環境要因、身体要因、ディレイ、ドリフト)、高強度(HRmax付近、以上)の運動強度をカウントできないといった面があります。TRIMPSは「そういうものだ」とお考え頂いた方が、よいかと。

1/02/2007

Jobst Brandt's resources

軽量リムは加速を向上するとか、重いリムは慣性で平地巡航に有利とか、ホイールの軽さは車体の他の部分の軽量化よりxx倍重要とか、ホイールに関する逸話・神話には事欠かない。その中には、マーケティング理由で流布されている、根拠の不確かな情報も多いだろう。一般消費者として、その辺に惑わされず「適切な」ホイール選択を行うには、どうすれば....?

↓の本の著者、Jobst Brandt氏の幅広い見識に触れるのが、一つの対策と思う。
http://www.amazon.com/gp/product/0960723668?ie=UTF8&tag=yarchive-20&linkCode=as2&camp=1789&creative=9325&creativeASIN=0960723668

また↓には、氏のrec.bicycles.techにおける発言のアーカイブがある。
http://yarchive.net/bike/index.html
※Brandt氏はホイール以外にも*とても*詳しいらしく、いろいろ参考になる。

そして、なぜか、あのSheldon Brown氏のサイトに、なぜかBrandt氏のFAQコーナーが....
http://www.sheldonbrown.com/brandt/

そして興味をもったら、ACCのこの辺とかで、いろいろ数字を入れて遊ぶのが吉と。
http://www.analyticcycling.com/WheelsClimb_Page.html

ただ、amazonの書評にもあるように、Brandt氏はコンマ数%のメリットを得るための、「キワドい」ホイールを作るノウハウはどうなのかな、とは思う。だがホイールのマス、イナーシャ等に関する大まかな知識は、これで十分のような気がする。

1/01/2007

TSS/CTL/ATL/TSB estimation using HR

某方面のご依頼により。TSS/ATL/CTL/TSB等について全部解説するのは大変なので、この辺をお読みください。
http://www.cyclingpeakssoftware.com/power411/levels.asp
http://www.cyclingpeakssoftware.com/power411/defined.asp
http://www.cyclingpeakssoftware.com/power411/performancemanagerscience.asp

以下、概略だけ。TSS、ATL、CTL、TSBをどう「翻訳」するのかは、あくまで個人の経験とスキルによります。


1. TSS
TSSとは、大雑把に言えばトレーニングストレス(強度×時間)をFTPによって正規化したもの。速い人も遅い人も、同じ相対強度で同じ時間ワークアウトを行ったなら、同じようなTSSを得る。


2. ATL/CTL/TSB
ATL = acute training load (7 d exponentially weighted moving average of daily TSS values)
 .... 直近(~7day)のストレス蓄積値。
CTL = chronic training load (42 d exponentially-weighted moving average of daily TSS values)
 .... 長期的(~42day)なトレーニング効果の蓄積値。
TSB = training stress balance = CTL - ATL
 .... インパルス-レスポンスモデル(フィットネス-疲労理論、二要因説)の考え方により数値化したパフォーマンス値。

ただし同じCTLが同じトレーニング効果を意味する訳でもないし、トレーニングの中身は何でもよい、という訳ではない。例えが正確でないかもしれないが、学習の蓄積と忘却効果を単純に数値化したようなもの。

TSS/ATL/CTL/TSBは、パワーデータとCPSがあれば、自動的に計算可能。


3. CPSを使わないTSS→ATL/CTL/TSBの計算
CPSが無くても、TSS→ATL/CTL/TSBの計算は可能。
下記のExcelシートを使う。自分で日曜大工してもOK。
 http://www.pdxtriclub.org/files/trainingmanager.xls
 http://www.cyclingforums.com/showpost.php?p=2949979&postcount=161


3. HRを用いたTSSの概算
TSSはパワー値から算出するものなので、本来HRからの算出はできない。1) HRとパワー(インテンシティそのもの)との相関は極めて不確実、というのは無論のこと、2) 特に、HRではトラックしづらい(平均パワーとHRの乖離が大きい)Coggan's L5以上のパワーレベルを反映しづらい点もご承知頂いた上で、あくまで、大体、でよければ、概算方法はある。

Wattageのこのスレッドに、いくつかの変換式が提案されている。
http://groups-beta.google.com/group/wattage/browse_frm/thread/e1b39a07586a9ad8/0ca7eca8172dbeaa

George Chester さんによる下式がその一つ。avereage HRは、トレーニングライド全体ではなく、インターバルセッションのON区間/OFF区間に分けて細かく計算した方がずっとマシになると思う。
 TSS = (Average heart rate / LT heart rate) x (duration in minutes) / 100

また、もっと複雑な方法が、上記スレッドの10番目のレスに書かれている。

(EDIT)
ここでも、いくつかの変換式が提案されている。PolarのExertionとの相関についても記述あり。
http://groups-beta.google.com/group/wattage/browse_frm/thread/61a2cff8fa20b58a/df346a13b3d9893e


----------------
2006.1.2
George Chester さんの式が間違っていたので修正。
2006.1.7
Wattageのリンク追加。
 

Powered by Blogger

Edit existing posts

Make a new post