5/05/2006

Heat Resistant Neodymium Magnet (not for the "fuel efficiency")

ネオジウム磁石.
http://www.26magnet.co.jp/seihin/seihin2.html
http://www.26magnet.co.jp/qa/qa23.html
昨今自動車の排気系に取り付けることで燃費が向上すると言われている強力な磁石である.以下は上記URLからの引用.
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ネオジム磁石
この磁石は熱減磁が比較的大きい磁石です。20℃を100とした場合、50℃で約95%、100℃で約90%に低下します。また、この磁石は可逆範囲が特に狭く、標準品なら約70℃まででなければ元の磁力を回復しません。
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自動車の排気系はどうしても高温になるため,上記サイトでは使用温度を120~150℃まで高めた「耐熱ネオジウム磁石」も販売されていて好評な模様である.

さて,ネオジウム磁石はその小型・高磁力さから様々な用途に使われており,その一つが自転車用インドアトレーナー(aka. 固定ローラー)である.

Fig.1

Fig.1は筆者愛用・シロモトインドアトレーナーの負荷ユニット部である.本図ではその保護カバー部,およびマグネットプレート部を外してネオジウム磁石(白枠にて図示)を露出させている.

筆 者は普段のL4ワークアウトにも本器を利用している.が,困ったことが一つある.本器には負荷調整装置が無いので,自転車側のギア,ケイデンスを一定に していれば,生じるトルクは一定であると期待される.実際,新品の頃はたしかにそうであった(e.g., 後輪回転速度から出力される速度が41km/hのとき,PowerTapは約250Wのパワーを示す).
※ただしタイヤ・ローラーの接触圧に依存し,また速度とパワーの関係は必ずしも線形ではない.
しかししばらく(e.g., 1-3 month)使い込むと,①「tarmac blog: L4とかL5トレーニングというのは」のFig.2の例のように,ワークアウト中にトルクが急激に低下していき,ケイデンスを上げないとパワーをターゲットゾーンに保てなくなる,および②トルク負荷が全体に低下する,という問題がある.

ギ アをかければ済む? すでにアウタートップ(50-12T)である.じゃあケイデンスを上げろ? またヒルクライムTTをターゲットレースとする筆者にとって,筋力の神経的適応の観点からケイデンスを著しく高めることは必ずしも望ましくない.なによ り,新品のときは問題なかったのだから何とかして欲しい!

上記問題の原因を,筆者は加熱による減磁と睨んでいる.いわゆる「熱ダレ」である.熱ダレには2種類あり,一つは可逆的(=磁力がもとに戻る)な 熱減磁,もう一つは不可逆的な熱減磁である.二六製作所のサイトに書いてある通り,ネオジウム磁石はたったの70℃で不可逆な熱減磁を生じてしまう.使用 後の固定ローラーの負荷ユニットを触ったこ とがおありだろうか? いくらファンで冷却しても,70℃以下に保ていない可能性がある.たまたまファンの風あたりが悪いこともある.素人推測だが,一度不可逆な熱減磁を起こす と,その後より低い温度で可逆的な減磁を起こすようになるのではなかろうか?

そこで先述の耐熱ネオジウムである.
二六製作所から「NE107 ネオジム磁石 Φ8x3(N39SH)」@158円を調達し,エポキシ接着剤にて3個取り付けた.Fig.1でエポキシの「山」に埋まっている円形の物体がNE107である.
N39SHは使用温度150℃であり,ワークアウト中の熱ダレ防止,不可逆な熱減磁の防止効果が期待できる.

尚,本器では磁極をN→S→N→Sの順に配置してあったので,追加マグネットもこれに倣った.Fig.1において赤インキでマークしてある部分が,磁石のN極側である.この並びにどんな効果があるのかはよく分かっていない.
#ご存知の方,お教え頂ければ幸いです.

実際にワークアウト中の熱ダレがどれだけ抑えられるかの測定結果は,GW明けにでも.成功したら,他のマグネット(おそらく不可逆な減磁を起こしている)も剥がして耐熱マグネットに交換してしまう予定.

耐熱ネオジウムの効果があれば,今後は高価な流体負荷装置を使わなくとも,安価でシンプルな磁気負荷装置で,熱ダレの無い良いローラーが作れるかもしれない.


以上,ゴールデンウィークの工作終わり.

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