以前の記事で取り上げたCogganのL5インターバルに関する考察.これに対する最近のWattageにおけるディスカッションを見て考えた.
(1) Cogganの意見: Vo2Maxフォーカストレーニング期間には,FTPは落ちる傾向にある.これはトレーニング内容がL5エフォートと,その間のレスト(L1/L2)で占められるからである.
(2) Dave Harris(MTB 24h enduro 選手)の意見: L5フォーカストレーニング期間の後,FTPも向上している.
上記(1)が正しいならば,1) Vo2Maxを向上しても,それに呼応して自動的にFTPが向上する訳ではない,2) FTPが重要となるイベント(e.g., TT)を前にしては,L4ワーク量を維持すべきということになる.Terry Ritterの言っていることもこれに近い.
よく,ピーキングのプロセスでL5/L6ワーク量を増やしていくことがあるが,これはTT型イベント対策の場合は必ずしも当てはまらず,むしろTTパワー(L4)でのワークアウトを行うべき,ということになるのか.
一方,上記(2)はCogganと真逆の意見である.おそらく,L5フォーカストレーニングといっても,同じ期間にL3/L4ワークもかなり含んでいるか否か,どれだけL5に集中特化しているかで,だいぶ結果が違うのでは?
この前の記事のIP選手向けVo2Maxフォーカストレーニングの例を見る限り,Cogganの場合はL5インターバル 2回/週 + レースorレースライクな練習 2回/週となっており,いかにもL4ワークが少なそう.
一方Dave Harris選手はその専門から考えて(この選手はCogganがたびたび,異常にCTLの高い/TSBの低い状態を継続している例として引き合いに出す),L5フォーカスといいつつその他のワークアウトも相当行っていることは想像に難くない.
この辺は,ターゲットイベント,トレーニングのフェーズ,受容可能なTSS等との兼ね合いもあるので,「自分の場合はどうか?」を見ていくしかないのだろう
11/22/2006
登録:
コメントの投稿 (Atom)
4 件のコメント:
ランス・アームストロングよりもVo2maxが高い日本選手がいますね。
でも実力は…。
そのへんが全てな気がします。
そうですね、すべてかどうかは明らかでないですか、1) Vo2Maxが高くてもパワー@Vo2Maxが低い、2) FTP(パワー@LT)が低いという2つの問題がありますね。
日本の自転車選手については、やはり「タレント発掘」という最大の壁があるような…
私もこのスレッド気になってました。Andyの意見はある程度の数のアスリートのデータを見ての話(N>>1)なのかそれとも自分と奥さんだけ(N=2)の話なのかわかりませんが、DaveのはN=1っぽいですね。
自分でN=1スタディをやるわけにはいかないので(ま、ある意味ではコントロールのないN=1スタディをやっているとも言えるわけですが)他人の成果を見て考えるしかないと思うのですが、そういうときにこの手のanecdotalな成功談あるいは失敗談が一番判断に困りますね。特に成功談はうまくいったなら自分も取り入れたいと思うのは自然な欲求だと思いますが、人に効いたからといって自分にもよく効くかどうかはわからず・・・う~ん、悩ましい(笑
うーん、私の場合はNが多いほうを信用しますね。このL5/FTPの関係については、IP選手の例でもやっぱりCogganの言う通りですよね。
Terry Ritterの言うように、やっぱりTT向けのピーキングはL5/L6*だけ*ではだめで、TTペースで走り、TTで使うメタボリック・システムを最後まで刺激してやる方がいいんじゃないかな? ということを最近実感してます。
コメントを投稿